塩見岳
父ちゃんです。
くそ忙しい秋。
T氏から、南アルプスの計画書が送られてきた。
毎日現場で、心に余裕を無くしていたが、行くことにしよう。
連休に休みをくっつけて出発した。
会津若松でT氏に拾ってもらう。
ここから新潟経由で長野県へ。
新潟の高速道路は延々工事中で、片道1車線であった。
震災の後始末は、まだ続いているのである。
松川ICで高速を降り、買い出しして大鹿村の塩川小屋へ。
ここは、塩見岳に行く昔からの登山基地であったが、現在はもっと近いルートが出来たため、訪れる人も少ないらしい。
我々が到着したときも、誰もいなかった。
(その後、もう一台やってきたが。)
翌朝、まだ薄暗い中、出発。
塩川に沿って歩き始める。
苔むした薄暗い森である。
1時間ちょっと歩いた後、尾根登りにとりかかった。
アオモリトドマツの広がる尾根は、ものすごく急な道である。
息があがって、ゆっくりペースで登る。
3時間半以上かかって、ようやく三伏峠に辿り着いた。
三伏峠は、日本で一番高い峠。
よくこんな所を越えていたものだ。
天候は晴れ。
目的地である塩見岳をはじめ、南アルプスの山々、中央アルプス、そして富士山までが見えていた。
三伏峠で少し腹ごしらえをして、出発。
ここからは、稜線歩きなので、そんな辛い登りは無いはず。
と、思いきや。
先ほどの尾根歩きで、相当消耗したようで、ちょっとの登りがきつい。
三伏山、本谷山を越えるのに、ひーひー言いながら、ようやく歩く。
予定よりスローペースで、ようやく本日の目的地である塩見小屋に辿り着いた。
塩見岳の山頂が目前に広がる。
今、行くと大展望が見えるはず。
よっぽど行こうとも思ったが、ばてていることと、今から行くと帰ってくるのが夕方遅くになるということで、登頂は明日にした。
翌朝未明。
まだ、暗い中、御来光を拝もうと、朝飯前に出発。
塩見岳は、岩場の急斜面である。
暗い中歩いているので、もし足を踏み外したら、漆黒の谷底に落ちることになる。
やや恐怖しながら、登っていった。
そういや、マッターホルンもこんな感じだったなー。
5時過ぎに塩見岳山頂に到着。
そろそろ日も昇るはずなのだが、あいにく深いガスの中で何も見えない。
持ってきた食糧をボリボリ食べながら、晴れるのをしばらく待つ。
でも一向に晴れる気配はない。
天気予報では、今日の午後から崩れるらしい。
ずっとこんな天気なのだろうか。
仕方がない、崩れる前に降りよう。
塩見小屋に戻って、ちゃんとした朝食を摂った。
ご飯、納豆、生卵、缶詰、みそ汁と豪華の朝食。
荷物をどんどん減らそうという思惑もある。
朝食を食べていると、なんと塩見岳の山頂が見えるではないか。
いつの間にか、ガスも晴れ、周りの山々がくっきりとその姿を現した。
くそー、朝食後に出れば、ばっちりだったのにー。
悔しいので、小屋から見える周囲の山々をバシバシ写真に収めた。
天候が崩れる前に下山しよう、ということで、昨日辿った道を引き返した。
天気はずっと良い。
本当に崩れるのか?
三伏山に着いたとき、少し雲がかかってきた。
三伏峠を過ぎて、尾根を下る。
下るのも嫌なくらいの急斜面である。
膝に力が入る。
途中で枝を拾って杖代わりにした。
終わらないかと、思うほど、延々と続く下り道。
休みながら、ようやく沢に降りた。
するとバラバラッと雨が降り始めた。
やはり、天気予報は当たったか。
もう少しで登山口だ。
それまでは、小降りでいてほしい。
沢沿いの道を急ぎ足で、登山口まで戻る。
すると、雨はすっかり止んでしまった。
その後も、雨は全然降らなかった。
ちぇっ。
もうちょっとゆっくりしてても良かったかな。



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