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2012年7月 4日 (水)

発明家とつくる愉しい未来

7月3日、田島小学校において、発明家・藤村靖之さんの講演が行われました。

発明家ってどんな人? どんなことするの?

初めて会う発明家に、子どもたちは興味津々。
この日は、「発明家とつくる愉しい未来」という演題で、小学生4~6年生150名と父兄を合わせて200人以上が藤村さんの講演に耳を傾けました。

「僕は発明家は、とっても良い職業だと思っているんだ。
講演の最後に、発明家になりたい人って訊くからね。
何人かの手が挙がるといいと思う。」

冒頭、子どもたちへの呼びかけから始まりました。

「発明家っていうのは、
良い人が困っているよね、普通の人は可哀想だなって思うだけだけど、発明家はどうにかしてあげられるんだ。

僕は、那須町(ここから1時間半くらいだね)に、5年前テーマパークを造った。
エネルギーとお金を使わなくても幸せになれるっていうテーマパークだ。

今の大人たちは、エネルギーとお金を使わないと幸せになれない、と思っている。
そのためには、人をやってつけてやろう、という人が増えているんだ。

電気がないと幸せになれない。
電気をどんどん使おう。
石油だけじゃあ足りない。
じゃあ原発だ。

ちょっと待って。
ちょっと工夫すれば、電気は十分間に合うんだ。

みんなの家は、契約電流40~50アンペアだと思う。
これを20アンペアにしてみる(アンペアダウンっていうんだけど)。

もし、日本中でアンペアダウンすると、どうなるか?
20~30%の電気が余って、原発なんか要らなくなる。

もう一つ起こること。
しょっちゅう、ブレーカーが落ちるんだ。

エアコンとドライヤーを一緒に使うと、ブレーカーがバチン。
エアコンと温水トイレを使うと落ちたりね。

すると、考える。

エアコンは夏に使うもんだろ。
夏に温水トイレは、要らないんじゃないか。
電気ポット(これも原発3基分)もやめようか。

こういう風にして、一ヶ月もたつとブレーカーが落ちなくなる。
みんなで工夫すれば、原発が無くても平気になるんだ。」

藤村さんの話は、モンゴルでの発明に移ります。

「モンゴルから是非来てくれって要請があった。
モンゴルでは、遊牧民がとても困っていて子どもを捨てているって言うんだ。
子どもを捨てるっていうのは、悪い人だろ。
僕は、良い人を助けたいって思っているから、最初断ったんだ。
でも、どうしてもっていうから行ってみた。
そしたら、とっても良い人たちなんだ。

なんで、良い人たちが子どもを捨てるんだ。
訊いたら、こういうことだった。

遊牧生活っていうのは、年寄りにとっては幸せなんだけど、若者には耐えられない。
遊牧を捨てて、都会へ行くんだ。
でも、都会へ行っても仕事がない。
貧乏生活だ。
子どもが育てられなくて捨ててしまう。

そうやって困っている人たちが60万人。
捨てられた子どもたちが6万人もいる。
考えられるかい?

モンゴルの冬は、とても寒い。
マイナス40℃にもなる。
とても生きられないよね。
でも、地面の下、マンホールだけは温かいんだ。
熱供給のパイプが通っていてね。
そうやって暮らしている子どもたちは、マンホールチルドレンって呼ばれている。

良い人が困っているから、どうにかしよう。
じゃあ、どうして欲しいんだ?
そしたら、冷蔵庫・テレビ・照明があれば、遊牧っていう幸せな生活を捨てないっていうんだ。

最初判らなかったんだけど、モンゴルの冬は8ヶ月も続く。
遊牧民は、隣の家まで10キロメートルも離れている。
夜は真っ暗、14時間もある。
その間、ロウソク1本で、じーっと耐えてる。
何にも聞こえなくて、オオカミの遠吠えが聞こえる。

たまには灯りが欲しい、っていうのは切なる願いだったんだ。

また、若者たちには、遊牧生活は孤独で耐えられない。
でもテレビがあれば、世界とつながれる。

冷蔵庫があれば、羊の肉を腐らせないですむ。
遊牧民にとって、羊は家族同然。
夏は3日で腐ってしまう。
家族同然の羊の肉を捨てなくちゃならないっていうのは、胸が張り裂けそうな思いなんだ。

日本でのテレビ・照明とは、全く意味が違うんだ。

3ヶ月かかってようやく理解してね。
でも、どうする。
電気は来てないし、遊牧民の大人の収入は、一年でわずか一万円だ(君たちのお年玉より少ないかな)。

そこで、電気が来てなくても使えるもの、安く買えるものが必要。
発明家の出番だ。

つくったのは、電気を使わない冷蔵庫。
夏30℃を超えていても、冷蔵庫の中は4℃以下。
放射冷却で冷やすんだけど、
うーんと安い材料(ペットボトルとかね)でつくった。

できたぞーってお披露目をしたら、100キロ先200キロ先からも見に来てくれた。
80人くらいいたかな。
おじいさんから若者まで、冷蔵庫を見せたら、全員が涙を流してくれた。
勇気と希望を取り戻した瞬間でもあるんだ。」

「僕は世界中どこにでも行く。
一番多いのはアフリカかな。
ナイジェリアっていう国によく行っている。

アフリカの男たちは、遊んでばっかり。
お父さんは、朝4時から1時間魚を捕って、あとは遊んでいる。
お母さんは、朝から晩まで働いている。
魚は、そのままだとすぐ腐っちゃうから、薫製にする。
薫製は、家の中を煙だらけにしてつくるんだ。
家の中が煙だらけだから、女たちは40歳を過ぎると目が見えなくなる。

死ぬまで目が見えた方が良いだろ、って訊くと、そうだ、と言う。

でも、それが当たり前、昔からやっているから仕方無いと思っている。

じゃあ、僕が、目が悪くならない、咳もでない、薪も少なくて済むモノをつくってきてあげる。

そうして、薫製器をつくって見せたら、ナイジェリアのお母さんたちは、涙を流して喜んでくれた。」

「何か発明しようと思ってつくると、最初は大抵失敗する。
でも、たまにはうまくいく。
何度もやっていると、だんだんうまくいくよ。

じゃあ、最後に訊くけど、将来、発明家になりたい人?

3人挙がったね。

発明家になろう、と今は思ってなくても、なってもいいかなって思う人もいるかな。
発明家っていう職業を将来の選択肢に加えてほしい。

じゃあ、発明家になるために必要な条件を教えよう。

一つは、モノをつくるのが好きなこと。
インスピレーションは、訓練すれば、すぐ沸くんだけど、大切なのは、それをつくること。
つくって、実験。つくって、実験を繰り返すのが必要。
つくるのは、そんなに難しいことじゃない。
お母さんの手伝いをして、ニンジンを切るのもつくること。
薪ストーブがあったら、薪を焚くのもつくること。

二つめは、好奇心が旺盛なこと。
子どものうちは、みんな好奇心旺盛なんだけど、中学・高校って上がるにつれて、だんだん減ってくる。
それを失わないようにすることが大事。

三つめは、理科の勉強をちゃんとやること。

これだけで、発明家にはなれるんだけど、これだけで発明家になっちゃうと、お金儲けのための発明家になってしまう。
それじゃあ、ダメだよね。

良い発明家になるためには、もう一つ。
人の痛みが判る心(感性)を培うこと。
これが大事なんだ。」

みんなの拍手をもって、藤村さんの講演は終わりました。

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コメント

は~いっ、発明家になりたいでーす。

定年後では無理でしょうか?


いやー、夜の部に行きたかった・・・

投稿: ハジメ | 2012年7月 6日 (金) 19時34分

ご無沙汰いたしまして申し訳ございませんm(__)m
ほんわか家族の話題やいろいろな社会の問題を興味深く拝見しています。

以前から発明家藤村さんにとても興味がありました。
分身の術を使って会津に行きたかったな(笑)。
講演内容がしっかり読めて嬉しいです。
ありがとうございますm(__)m

先日NHKラジオで(リポーター誰だったかな?)那須町におじゃまして発明品のお話や実際の発明品の紹介をしていました。
冷蔵庫のしくみも解説していらしたのですが、仕事をしながら聴いていたのでよく理解できませんでした(泣)。
リポーターさんが、よく冷えたビール(ノンアルコール?)をごちそうになったのですが、電気を使わなくても程よい温度に冷えていることにとても驚いていたのが印象的でした。

講演、とても素敵なお話ですね。
田島から若い発明家が生まれるかな?
私たちはホント電気に頼り過ぎていますね。
節電という前に電気を使わなくても済むようにもっと知恵を絞り、工夫をしなくてはと反省しました。

投稿: にしわき | 2012年7月10日 (火) 11時54分

>ハジメさん
ハジメさんなら今すぐなれます。
夜の部も面白かったです。
そのうちレポートあげます。
こっちの話もハジメさんにぴったり。

>にしわきさん
ご無沙汰してます。
藤村さんの話は、本当に面白いです。
理論だけじゃなく、実践されているのが素晴らしい。
いろいろ刺激を受けます。

投稿: 父ちゃん | 2012年7月18日 (水) 22時09分

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