非電化工房見学会・その2
さて、非電化工房見学会の続き。
薪ストーブの上に小さなファンが載っていて、それを見つけたしょうへいが、藤村さんに訊きました。
「これは、どうやって回っているんですか?」
「これかい? ストーブに載っている部分は熱いだろ。
ぎゃくにこっちの上の方は熱くない。
この間のところに薄い板があってね。
熱電素子っていうんだけど、温度差によって発電できるんだ。
それでモーターを回しているんだよ。
この熱電素子ってのは、使い道があってね。」
熱電素子の話から、セミナーは始まりました。
「家の中で一番何にエネルギーを使っているかというと、冷暖房と給湯なんだ。
つまり、エネルギー問題は、冷暖房と給湯をどうするか、っていう問題とも言える。
この家には、天窓が6箇所あって、カーテンを開けると昼間は電気がいらない。
夏場は、夜開けると、放射冷却で冷えるから、涼しくて冷房も要らないんだ。
一回、冬場に開けといたらどうなるか、っていう実験をやってね。
そしたら、冷凍庫にいるようで、凍え死にそうな目にあったよ。
太陽熱温水器ってあるよね。
屋根の上に載ってるやつ。
あれがいま日本では、すたれていてね。
かつては世界一の普及率だったんだけど、いま一番は中国で、次いでドイツ、日本は七番目くらいまで落ちた。
まだまだ使えるんだけど、捨てる人が多い。
原因は、格好悪い、って言うんだ。
僕はね、あれの開発に関わったこともあるから、今一度、これを復活させたい。
もっと格好良くして、日曜大工でできるようなもので15万円くらいにしたい。
工房でも見たと思うけど、太陽熱を集めるのにパラボラだと大変だが、半円筒型なら金属板を丸めるだけだから簡単だ。
これの熱が集まる部分が線状になるから、鉄パイプに半分黒塗料を塗って通せば、お湯が沸く。
別に屋根の上に置く必要はなく、庭の一日中、陽の当たる場所に置けば良い。
夏場と冬場で太陽の入射角が違うから、一週間に一度調整してね。
太陽熱を集めて200℃くらいまで上がるんだけど、水は100℃までしか上がらない。
じゃあ、ついでに熱電素子で発電しようか。
ついでだから、あまり効率は求めない。
これで、かなり発電できる。
この那須の土地に来てから二年くらい経つんだけど、この土地を見たときに、ああ、これは面白いことができるな、と思ったんだ。
傾斜があって、真ん中に池がある。
これは、重力式エレベーターが作れる。
重力式エレベーターは、イギリスのCATという自然エネルギー研究所にある。
ここの面白いところは、研究者が家族ごと住み込んでいるところ。
自然エネルギーは、世界中で研究されているけど、職場で自然エネルギーを研究しても、家に帰ると従来のエネルギーを使っているなんて、嘘っぽいでしょ。
家族のためって思うと、足が地に着いた研究ができるんだ。
さて、重力式エレベーターの仕組みは簡単。
二つの部屋があって、滑車でつながっている。
片方は人が乗るところで、片方は水を出し入れする。
人数に応じて水を貯め、水の重さで人を運ぶ。
降りるときは、水を捨てる。
年間千人くらい乗りに来るようなんだけど、みんな動き始めると歓声をあげる。
これなんか、ローテクの極みでしょう。
それに世界中の人が乗りに来るんだ。
それを、今度建てようと思っている。
なるべくワークショップ形式でね。」
藤村さんの話は、まだまだ続きます。








『 かりんちゃんと一五人のおひなさま』


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