2020年1月24日 (金)

「ふつうの子」なんて、どこにもいない

「ふつうの子」なんて、どこにもいない

木村泰子/著
家の光協会/2019

本書を読んで大きな驚きを深い感動を覚えた。
公立小学校でこんなことができるのか。
著者は大阪市立大空小学校の初代校長。
他の学校では、特別支援の対象となる子どもたちや問題児も一緒に学んでいる。
当然、様々な問題が起こるが先生や子どもたち、そして多くのサポーターたち、みんなでその問題に取り組む。

最近、ダイバーシティ(多様性)だ、国際社会に対応する人材だ、などと叫ばれているけど、
それとは裏腹に、相変わらず日本社会は同調圧力が強く、一定範囲から飛び出た人間を排除する傾向がある。
その歪みが最も顕著に不幸な形で出たのが、やまゆり園の悲劇であろう。

大空小学校の取組みは、日本社会への異議申し立てである。
ぜひ、全国に広がってほしい。

見てないけど、大空小学校の一年を追った
映画「みんなの学校」のリンクはこちら。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2020年1月13日 (月)

その落語家、住所不定。

その落語家、住所不定。
タンスはアマゾン、家のない生き方

立川こしら/著
2019/光文社新書

昨年11月、
南会津町のジーママで、
落語立川流真打・立川こしら師匠のトークショーがあった。
既成概念をことこごくぶち壊し、
爆笑のうちに新しい生き方を提示するこしら師匠の話に
目からうろこが何枚も落ちた。

著者は家がない。
日本各地はおろか世界中を飛び回る旅の生活ゆえ、
定住する家を捨てたのである。
何かを捨てると何かを得る。
ポケモンGOで海外のポケモンを得たいがために訪れたオーストラリアで落語会を開催し、
以後、毎年呼ばれるようになったり、
様々な家やホテルを泊まり歩いて、いろんなハプニングに会ったり、
ニューヨークの日本語学校で講師をするようになったり、・・・。

必要最小限のものしか持たないため、いろんな工夫も生まれる。
アマゾンをタンス代わりに活用したり。
ITも駆使しまくる。
最近はこしらポイントという仮想通貨もやっているらしい。

著者のチャレンジングな生き方に感銘を受けた。
そのまま真似をすることはできないけど、心は自由になった気がする。

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スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け
J・J・エイブラムス/監督・製作
デイジー・リドリー、アダム・ドライバー/出演
2019/米国

かつて小学生のとき見た「スターウォーズ」は衝撃だった。
宇宙空間をヒューンと飛んでいくレイア姫の宇宙船、
その後現れる大型宇宙船スターデストロイヤー、
画面の左上から現れ宇宙船の全容が見えるまで延々と前進を続ける映像に度肝を抜かれた。
こんな世界見たことない。
SF映画の絵を変えた決定的瞬間であった。

それから42年、
ついに最終回を迎えるスターウォーズシリーズ。
ずっと見続けてきた身としては、感慨深い。
エピソード7のJ・J監督は、昔のファンに気を遣いすぎている感じがして、
やや物足りなさを感じたが、
今回は完全に自分のものにしている気がした。
素晴らしい仕上がりである。

もう終わりかと思うと寂しいなあ。




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カツベン!

カツベン!

周防正行/監督
成田凌、黒島結菜、永瀬正敏/出演
2019/日本

かつての無声映画の時代、
日本では楽士たちの音楽に合わせ語りや説明を行った活動弁士(カツベン)たちが映画を彩った。

周防監督最新作の舞台は大正時代、
やがて職を失う活動弁士たちですが、カツベンたちが一番活躍した時代です。
個性豊かなカツベンたちが映画を生き生きと見せてくれます。
一般には知られていない世界を鮮やかに見せてくれる周防監督ですが、
カツベンたちが活躍する大正時代の映画の世界を見事に再現しました。
無声映画って、カツベンがいてこその映画なんだなあ。
日本ならではの映画の楽しみがあったようです。
繰り広げられるドタバタ劇や周防監督が撮り下ろした無声映画の数々、
かつての日本映画へのオマージュが感じられます。
また、映画館が火事になるところやフィルムをつなぎ合わせて上映するところなんかは、
「ニューシネマパラダイス」かなあ。

理屈抜きに楽しめる映画です。





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2019年11月24日 (日)

売上を、減らそう。

売上を、減らそう。
たどりついたのは業績至上主義からの解放

中村朱美/著
ライツ社/2019

京都にある飲食店「佰食屋」。
ここでは、一日の販売数量が100食限定、ランチのみ。
これによって、飲食店でありながら従業員は残業ゼロ。
(毎日、家族そろって晩ご飯が食べられる。)
数量が決まっているから、食品ロスもでない。
メニューも決まっているから、難しい仕事もなく、
高齢者や外国人も働くダイバーシティの職場環境。
今までの飲食店の常識をひっくり返した経営を行っている。

前に紹介した「SHOE DOG」とは対照的な本。
グローバル経済で成功し圧倒的な存在となったナイキ、
一方、京都でしか展開しないことを選んだ佰食屋。
どっちのストーリーも面白いけど、とても共感するのは佰食屋の方。

右肩上がりの経済は、もうお終い。
日本の人口が減少していく今、新たなモデルが必要となる。
あえて成長しない道を選んだ佰食屋は、その一つの解答だなあ。






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2019年10月29日 (火)

サピエンス全史

サピエンス全史(上・下)
文明の構造と人類の幸福

ユヴァル・ノア・ハラリ/著
河出書房新社/2016

多くの人類種が登場した中、唯一、我々ホモ・サピエンスが生き残り栄えることができたのは何故か?
その謎は、ホモ・サピエンスだけが持つ「虚構を信じる」という特殊な能力ゆえ。
人類史を俯瞰し、今後のたどるであろう未来まで予測した大著。

国家や宗教、神話、いろんな制度などは、すべて虚構である。
非常に衝撃を受けます。
確かにそれがあるとみんなが思えばこそ、それらは成り立っている。
みんなが信じるのを止めた途端に瓦解します。
虚構に命をかけ社会を作り上げた人類。
虚構を入れ替えることで、社会を変えていきます。

さて、現代社会。
制度疲労が著しく、問題山積。
新しい虚構を考える時じゃないかな。

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SHOE DOG 靴にすべてを。

シュードッグ
SHOE DOG
靴にすべてを。

フィル・ナイト/著
東洋経済新報社/2017

ナイキの創業者、フィル・ナイトによるナイキ創業の物語。
オレゴン大学で中距離ランナーだった若者が、1962年日本に渡り、シューズ・メーカー、オノツカのアメリカでの販売権を得る。
その後、独自ブランド「ナイキ」を立ち上げ、スポーツ用品界の巨人、アディダス、プーマをしのぐ企業へと育て上げる。

読み始めたら、滅法面白くて一気に読み上げた。
常に成長を続けてきたナイキだが、その道は順風満帆だった訳ではなく、何度も窮地に立たされてきた。
しかし、それを乗り越えてきたのは、ナイキが単なるスポーツ用品メーカーだった訳ではなく、新しい世界を創りあげるんだという思いを共有したスタッフやアスリートたち、顧客らに支えられてきたからこそ。
商品を通じて世界にメッセージを送り続ける同社の歴史には、世の中を変えるヒントにあふれている。

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2019年9月22日 (日)

THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本

THIS IS JAPAN
英国保育士が見た日本


ブレイディみかこ/著
太田出版/2016

イギリスの労働者階級が多く住む街ブライトンで保育士をしている著者、
ブレイディみかこ氏によるルポ。
こういうルポをやらせるとブレイディみかこさんは上手いなあ。
滅法面白い。
面白いだけでなく、物事の本質を深く掘り下げ、考えさせてくれる。

賃金未払いになっているキャバ嬢、
弱体化した社会運動、
低賃金の保育士、etc...
一億総中流の言葉の裏で、
全体的に地盤沈下し貧富の格差が広がっている日本の現状を
イギリスと対比しつつ繰り広げる著者のルポは、
底辺に住む人びとの肉声を鮮やかに伝えてくれる。
一方でかすかな光も見える。
新たな形のデモ、
障害者たちが働く企業組合、
反貧困ネットワーク、
自主保育の子どもたちとホームレスのおじいさんとの交流。

目を背けている人が多いけど、日本の状況はどんどん悪化していて、
特に若者たちが犠牲になっている。
自分の頭で考えて、声を上げていくことが必要だな。

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2019年9月 8日 (日)

天気の子

天気の子

新海誠/監督・原作・脚本
醍醐虎汰朗、森七菜/出演
2019/日本

「君の名は。」で注目を浴びた新海誠監督の新作。
ボーイミーツガールをいかに大袈裟な仕掛けでやれるかが新海誠の真骨頂。
今回は異常気象で雨がやまない東京が舞台。
天気を操る特殊能力を持った女の子と家出少年が主人公。
天気を操ることには代償が伴って、さてどうする?

繊細で瑞々しい表現が10代の子には受けるんだろうな。
素直に受け取れなくなっている俺は、おじさんだなあ。

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ライオン・キング

ライオン・キング

ジョン・ファブロー/監督・脚本
2019/米国

ご存知、ディズニーのアニメ「ライオン・キング」が超実写版で蘇りました。
超実写って何?
CGによる実写を超えた迫力の映像。
ストーリーなどは、アニメ版そのもの。
リアルなライオンや動物たちが演技する姿は驚きである。
でも見た目実写そのものの動物が、
ちょっと擬人化された動きをするのは少し違和感があるなあ。


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